さらい屋五葉

  • 第6話「幸せと思えよ」

まず、ご隠居の表情にちょっと感嘆してしまった。原作元々の描写の濃さもあるんだろうけど、その単なる模写でない生命感みたいなものにドキリとする。メインキャラクターが表情演技が重要とはいえ独特なデフォルメが強い中で、老人はちょっと違って現実的なリアリティを持ってるんだよな。何よりもそれを描ける絵描きの技量だけども。
あと、いかにも中澤一登絵とわかりやすいお絹とか。キャラデザなのに浮いてるのなw


てっきり梅とご隠居の一連のエピソードは引きずり続けて、あくまで背景として解決しないような扱いになるとばかり思ってたら、一気に加速して結末を迎えてしまった。作中でも言われてたけど、これから五葉としてはどうするのか。政みたいに、この仲間という枠組みがあることで離れられなくなるようなことになるのか、それとも場だけが残るようなことになるのか、新しい理由が生まれるのか。とりあえずは現状、さらい屋稼業よりは人間関係の整理に焦点が行ってる感じだから、それはもう少し先かな。

  • 第7話「野暮でござった」

ご隠居と五葉の面々が一度も会わないまま何度もかどわかしをしてたことにちょっと驚いたんだけど、考えてもみれば犯罪組織なんだから、協力者であるにせよ身分を明かしてのその他の人間との接触って最小限に絞るのが普通か。それが政の養生で接触が多くなったことで状況が変わり距離も近くなったと。良くも悪くも政の加入が大きくかき回して状況を転がしてるんだな。おそらくこれからも。


今回って強烈な出来事は起きてなくて、ほとんど振りだけがあるような状態だったけど、妙に面白いんだよなぁ。それは感情面の描写の巧さだと思うんだけど、そういうものを感じ取る能力に欠ける自分でもこれだけ面白いということは、はっきりしたものでなくともそれを生かす空気感の作りの巧さなんだろうなぁ。