大決戦!超ウルトラ8兄弟

一部では不評で一部で好評なのを聞くにつけ、やや気になってたのだけど、やっと見られた。あんまり遅い時間に上映してないのね・・・前のは結構遅めの時間にやってて見やすかったんだけど・・・


正直、平成3部作はガイア以外そこまで思い入れはなくて知識も薄いんだけど、物語としてそちらに依存し切った内容でなく、むしろ昭和を中心とした「ウルトラマンという世界観」をテーマにした作品で十分楽しめた。まぁ、一部のカメオ役者がわかんなかったりはしたけど。
日をおいてしまったのと記憶力が悪いので、細かいところは省くとして。
正直なところ、軽く泣いてしまったよ(^^; 時間の重みとかその中で深化していったり受け継がれていたりする思いとかの物語に、いかに自分が弱いのかって話で。年取ったらこの傾向が強くなっていくから困る(^^; もう十歳いってたら本泣きだったかもなぁ・・・


そんな中で気になる点。
まず、ウルトラマンが全員そろってからの戦闘の単調さ。前作では一人一人の特徴を生かした多彩な戦闘シーンが展開されていたのに、今回は何をやるにも全員で一線に並んで光線で、せっかく平成三人組が盛り上げたテンションが軽く盛り下がってしまった印象がある。テーマ的な部分ではこの時点でやるべきことは完遂されてしまっているので、気にならない人もいるのかもしれないけど。
あと、長い長いエピローグの臭さ。いままで比較的地に足の着いたリアリティを保って、ただウルトラマンと怪獣・宇宙人の類だけが別のリアリティとしての異彩を放つものであったのが、一気に嘘くさい夢物語そのものになってしまった。あそこで叶えられなかった夢を叶える、というだけならまだ許容できるんだけど、日本丸を飛ばして云々となるとなぁ・・・。後ろで見てた子供が見終わってから「あー面白かった」と言っていたし、子供向けには結果のわかりやすい展開を描いた方が良いのかもしれないけどね。


・・・気付くと不満の方ばかりいっぱい書いてしまった(^^; あとは、ガイアカップルのほかの面々に比べての老け方の激しさとか、悲しくなるところ。
でも、ガイアが登場して着地したときの土煙を見たときには、本気で感激したんだよ!w
前作より、過去の感動の引用の仕方は巧かった(効率が高かった)と思う。元の物語ではあり得なかった幸せな姿を描くからこそ、元々の悲しみを思い出して良かったね良かったねと思える。坂田モータースに飾られた坂田さんの写真とか、もう見ただけで涙腺が緩む。おそらくあの世界では幸せに亡くなったんだろうなぁ、とか・・・でも若い頃の写真だったけど(^^;
比較による感動というのはそれのみでなくて、映画の舞台となった「ウルトラマンのいない世界」と「ウルトラマンのいる世界」の対比があって、一見我々の世界と同じに見える「ウルトラマンのいない世界」にウルトラマンが現れることでそれによって、ありきたりだけど「僕もウルトラマンになれる」という感動を強化していて、なおかつ我々の住む世界はウルトラマンがいる世界なんだ、という力強い結論として提示しているのが非常に巧いし、感動した。
スカイクロラと、途中の道筋は全く違うんだけど、最終的に「絶望することなんてないんだよ」っていうメッセージに至っているのと、そこに説得力を持たせている作劇が面白い。
いい映画だった。