マクロスF 第25話「ラスト・フロンティア」

グレイスの哀愁的な目的とその方法がわかったわけだけど、相変わらずせっかくのスケールの大きさが物語上でいまいち生きてないんだなぁ。今回はまだ良い方だけど。とりあえず、一部の人だけで回してる話、じゃなくて、少なくともフロンティア全市民が関わってる話なんだってことが表現できて印象があったしね。そう考えるとアルトの部下たちの存在感って結構重要な気がする。より一般的な人間が、人格を持った存在として描かれるミクロの視点と移民船団が目標へ向けて急発進していくマクロの視点が今回は相乗している訳で、どうも、バジュラ襲撃の時の逃げ惑う市民や抵抗する軍人、おびえる子供なんかは定番の描き方以上のものでなくて、書き割りの背景みたいだったんだよねぇ


あとこれも依然として、どういう価値観に支えられて描写されてるのかよくわからない部分が気になる。
一応、ランカ達の立ち位置として、前回までは正しい志を持って行動してきたもののグレイスに絡めとられてしまった、という経緯があり、明らかにレイアウト上でも下手にいて敵や目標の位置にいるからわかってはいるものの、流れるのが「愛・おぼえてますか」というところで拍子抜けしてしまう。倒すべき敵になってしまった悲しみを換気するでも、背後にいる邪悪の強大さを醸し出すでもなく、この曲なことの意味がどうもよくわからない。
あと、アルトの立ち位置。いつのまにか父にも兄弟子にも肯定される立ち位置になってるんだけど、何ら契機として理解できてないし、立ち位置自体が明確でない印象なんだよねぇ。今回に関してはもう定まってるものとして見ればいいから気にせず見られるんだけど、以前からの流れを気にすると楽しめない。


さてどうなることやら。とりあえずあんまり期待しないでおこうか。今回もシャロンアップルを思い出すとか、軽くときめく内容ではあったんだけど、そういう些末な部分でリカバリーできるレベルでもないしねぇ。