DARKER THAN BLACK -黒の契約者- 第25話「死神の見る夢は、黒より暗い暗闇か?」

あれ、これで未放映の26話は何をやるの?


なるほど、オチ単体で見れば凄まじくありきたりの落ちなのだけど、これまでのどこまでもシビアな物語を経てだから意味があるわけだ。まぁ、選択肢が二つしか見えてない状態で、視聴者の想像だにしない三つ目の選択肢がありました、っていうのはちょっと卑怯な気もするんだけど、どちらを選んでも地獄を見るだけ、という状況でそうではないもう一つの可能性があったという嬉しさがあるわけで。


具体的な設定はともかく、以前からそう見えていたように契約者と普通の人間の同一性を象徴していた黒だけど、今回の種明かしで結局契約者のようで契約者でないということに。この作品のこの部分て、もしかして自分が特別だと思い込んできた人間が、その平凡さをついには理解するまでの絶望的なプロセスを象徴していたりするんだろうか?とか思って見てたけど、それだけではないなぁ。むしろ一人の人間の中での両端性というか可能性、住み分けみたいなものを表していて、今回の結論に非常にマッチする形になっているのね。まぁ、やや唐突ではあるけれど、これは納得だった。


今さら納得したのは、電撃はあくまでも能力の発現の初期で最終的には物質の組成の変化にまで至る、ということで、初期に語られた黒の本来何の変哲もないコートが防弾能力さえ持つようになるというカラクリ。これは想像だにしなかったなぁ。


初期はただ雰囲気作りしただけの薄っぺらい作品だなぁと思って見ていたのだが、中盤からこれまでいっさい触れられなかった黒を含めた銀や黄などのメインキャラクターの内面に近寄り出して、と同時に契約者の描き口に変化が見えてから途端に面白くなったのが意外な作品だった。自分の鑑定眼も鈍ったなぁと思いつつ、損な構成の作品だなぁとも思うところ。ちょうど見やすい時間にやってたから見てたけど、これを録画して見てたら3、4話辺りで切ってたかもしれない。