地球へ… 第20話「決戦前夜」

物語の中心たる人々をあえて描かず、周辺状況の変遷だけを淡々と描くというのが世界の広がりを感じさせていい。キースにしたって示唆的な状況が描かれるだけで、感情の描写が最低限しかなされていないし。あえてごちゃごちゃ語らず、全てわかってあのような役割を演じているのだ、というのが描かれているのがいい。正直、この作品はこれまで台詞に頼りっきりで、それゆえに浅かったんだな。そこらへんが解消され、深みが出せてる。


そうだ、人類の中にミュウが増えはじめる、ってプロットは覚えがあるぞ。そうそう、ガンダムがこれのパクリとされる所以だ。




何の偶然だか、超能力者アニメで、しかもそれは人間の進化であるかもしれない、人間と超能力者に本質的な違いはない、といった示唆をする回を連続で見ることになった。「地球へ…」に比べて「DARKER〜」はずいぶんと自嘲的だけど、これはペシミスティックな時代性だろう。まぁ「DARKER〜」は感情移入の点で錯綜してるような感じだけど、これは旧来のテーマにねじれを加えた感じだろうか?
いつもは何もかも浅い「地球へ…」が珍しくこの点でも深い示唆性を持てていたのが印象的。
こういうテーマが日本において普遍的なものであることがこれでよく理解できるのだけど、なぜそうなるかがいまいち考え付かないところ。戦後の表面的な平等性への潜在的な反発とか?とすると「DARKER〜」は平等性から脱した個性の無意味性の主張ということになるか?