天保異聞 妖奇士 第20話「説二十『『不忍池子守唄』」

予告で駁が出てるのを見た時には唐突かつ必然性薄いなぁ、って思ったけど、今回見てみたら納得。母に25年の歳月を強引に納得させる役割があったわけね。その25年が竜堂という武家の象徴を押しとどめるというのが、これまた象徴的な話だった。


てか、前回の感想で書いた考察程度のことは作中で言っちゃうのね。そんなもんは大事に隠しておくものでもないし、それ以外に明文化されないメッセージは大量につまってるっていう自信もあるんだろうなぁ。実際この作品は全体、各話のメインテーマのみならずメインテーマと同じくらいの重さでサブテーマがいくつも散りばめられていて、それらの様々なテーマが互いに綿密な連携をしていて、それが見終わった後の満足感になっているんだよなぁ。


歳三についてはちょっと意外な展開だった。自分の最期をかいま見るという展開もそうだけど、むしろこの事件で彼の信念が固まるというのが驚いた。あくまでこの先の彼の信念に影響するような事件レベルのことだろうと思ってたから。
まぁ、新撰組に対してあまりいい感情を持ってない自分としてはちょっと美化し過ぎかなとは思うけど。異界と同じような存在しないも同然の存在と作中で明言されてしまっているがゆえに、この「武士」を追いかけることの空しさは明言されているのも同然なので、彼の行動がまるまる肯定されているわけでもないんだけどね。