鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST 第29話「愚者の足掻き」

あー、やっと本格的に面白いお膳立てが出来たなぁ、と。ここ数回の面白さは単体の展開での面白さだったのが、物語の基盤としての面白さが整ってきた。隠蔽されていたキャラクターの設定段階での情報は大体開陳され、謎は謎として残しつつもあとは展開自体を楽しみにできる状況かな。ま、まだまだ新キャラ出るみたいだけど(^^;
今回は特に、マルコーとスカーの関係だなぁ。ツボというと不謹慎な内容ではあるけど。単純にスカーに自分を殺して欲しいマルコーの悔恨と自責というだけでなく、考えてもみれば人に頼らず自殺すればいいのにそれを出来ない・他人にすがることしかできない人間的な弱さっていうものが胸に迫る。おそらくスカーの恨みを理解して本懐を遂げさせようという意識というよりは、より利己的にそこに便乗しようという意識なのだと思う。これまでのこの作品て、人間の愚かさや弱さを描くにしても基本的に物語キャラクターらしい英雄的な精神・覚悟をもった人間によって描かれていたのが、マルコーのより常人らしい人物の反応で描かれるものの方が断然に胸に迫るものがある。これで作品が一皮剥けたように思えた。