パプリカ

やっと見にいった。時期的にはギリギリ。それでも夜遅くにそれなりに人が入ってるのはさすが。
以下ネタバレが無いわけないじゃないか。


文句無しに面白いのは確か。その上で言うなら、まず過去の今監督作品を想起させる既視感がどうしても拭えなかったのが気になるところ。同じ人がやってるんだし、そんな作品数が多いわけでもないんだから非難するところではないんだけど、ちょっと作品んへの没入を妨げられてしまった感があるのが個人的に残念。カットとしてはつながってるけど舞台と人物は繋がってないとか、笑顔で破滅に向かってく集団とかね。
また、これは個人的な勝手な鑑賞前イメージに問題があったんだけど、この作品て過去の今監督作品に感じたようなそれぞれの理由から重さを感じるテーマ性みたいなものがちょっと薄めなところに、ほんの少し肩透かしを食らった感があった。ただ、逆にメリットもあって、そのテーマ性を受け止めて重さを感じてそこだけに満足してしまうのではなく、より作品全体の様々な要素を楽しめるという良さもあり、今回のパプリカはすぐにまた見たいと思わせられた。良さはそれぞれかな。
細かいところだとパプリカでの林原の一言めがちょっと気になったかな。何か年齢不詳で、最後までパプリカが「小娘」という感じはしなかった。まぁ、キャラクターからすると年齢不詳な方がいいんだろうなぁ、最終的には。


今回見終わって思ったのは、虚実の混じりあい、イメージの濁流が如き混ざりあい方みたいなものはこれまでの今監督作品と共通する部分なんだけど、その性質が破滅へつながる狂気を秘めたものであったり、どこか儚げで悲しみを覆い隠すものであったりしたこれまでのマイナスなものをもっていたのと異なり、どこまでも脳天気で無責任に躁状態なのが新鮮だった。そりゃ誇大妄想狂というベースがあるからにせよ、作中であまりマイナスに語られないんだよね。原作由来なのかね?


しかし、面白かったなぁ。もっと公開館が多くていい作品だと思うんだけどねぇ。


そうそう、岩田光央・愛川里花子夫婦がコンビで誇大妄想台詞をがなりたてつつ大暴れなシーンがあったのには笑ったw