四畳半神話大系 第1話「テニスサークル「キューピット」」、第2話「映画サークル「みそぎ」」

もちろんレンジの狭い自分が原作を読んでいるはずもなく、これも2話まとめて見て良かった。
2話まで見て気付く構造の面白さと、共通の根底と軸を持ちつつそれぞれに派生するドラマの面白さと、そりゃ湯浅って言えば期待するし期待を裏切らない映像の面白さと、コンプレックスのドツボに嵌まっているトーンの中で、主観と客観が折り混じり主人公「私」の中でも主観的な視点と客観的な視点を行き来する総合的な語り口の面白さと、どこを取っても面白い。これでヒロインが自分の好みにドンピシャだったら、もっと好感が見えやすい状況だったらすっかり没入してしまったかもしれないw 何となく、坂本真綾って自分の中で取っ付きが悪いんだよなぁ。好きの範疇に入ってはいるのだけど、思い入れを拒まれるというか。でも、この物語の中に飛び込むとかなり可愛く思えてくるから不思議。何より、このコンプレックスに完全に共感はできないけど、非常に理解できるのが大きい。ま、こちとらサークル選びの時点で最初から希望は捨ててかかった口だけど。
第1話がテニサーで第2話が映研ていうのは、とりあえず第1話では異性漁りサークルのわかりやすいところでテニサーで一般的なところから入って、第2話ではもう少しそのサークル固有なエピソードを掘り下げるということなのかな?考えると、テニサーでは孤立するまででサークル内エピソードが終わっているのに対して、映研では最後まで映研内でのエピソードだったわけで。一方で、第1話では明石さんとの関係性、約束を成し遂げるのがそこまで困難なことでなかったのが、第2話では映研を去ってかなり困難なことになってしまっている。関係を成立させられるか否かの分岐もよりエピソードの結末の以前となり、取り返しの付かなさが増している。これはどういうことなのか?このままこの傾向が続いていって、コンプレックスの中で絶望を味わうだけの結末に至る、ようなことは流石に無いとは思うのだけど、どういう流れをたどってどういう結末を迎えるのか結構気になる。
あと、さらい屋五葉に比べてアニメ化の意義を強く感じる内容と出来だったのも印象的だった。