エル・カザド 

一応各話簡単に。

  • 第24話「逝く男」

L・Aの死にあんまり必然性を感じないような。意図というかこだわりというか、非日常世界でしかL・Aを存在させられないというのはわかるんだけど、そうだとしてももっと悲劇性を盛り上げるとか、人間性を完全に失った狂気をもっと強調しないとその死に納得がいかない感じ。ナディとエリスの淡々とした感情を抑えた受け答えからすると後者かな。

  • 第25話「聖なる女」

ローゼンバーグの弱体化が急激すぎるようにも。あと、あそこでああなる(具体的に描写できない)メカニズムがよう分からん。まぁ、あそこの眼目はナディとエリスの抽象的な関係性なんで、あれでいいってことなのかもしれないけど。
個人的には、ここまで描かれてきたミスヘイワードの物語があそこでクライマックスを迎えたことのほうが感慨深かった。


ていうか、リリオが喋れないのは身体的な問題じゃなかったのね。

  • 第26話「輝く女」

最終回に至ってこんなにきっちりとエピソードを新しく作ってくると思わなかった。そうだそうだ、この飄々とした感じがこの作品の魅力だったんだ、と今一度確認させられるところ。これは意図したところなんだろうなぁ。
それのみならず、この作品のテーマやキャラクターの関係性などなど、この作品のこれまで培われてきたものの集大成になっているのが素晴らしい。前回、前々回の微妙さを吹き飛ばすいい内容だった。
オカマに関しては察しがついてたけど、再登場がうれしかったので良し!二人の演技の方向性の違いはちょっと気になったけど(^^;(デブを優先するかオカマを優先するかで)




作品全体としての印象は、非常に方向性やテンションにブレのない作品だったな、と。そりゃ1話と25話じゃ全く印象が違うとは思うけど、変わっていくにしても各話ごとの積み重ねが着実で突飛に感じることがほとんど無かったんだよねぇ。24、25は除くとして。
残念ながら物語上での大きなカタルシスは無かったものの、キャラクターやテーマの描写にはかなり成功していて、佳作だった。三部作とされている前の二作品と比べて全く違うというか、むしろ足りなかったものを重点的に盛り込んでいったような印象もあるかな。ていうか、近年の真下作品でキャラクターとその関係描写に最も成功した作品に思えるんだけど、どうだろう?脚本の力だなぁ。