立喰師列伝

実はこれザ・スニーカーハルヒとか影も形もない頃)の連載で軽く追っかけてたのですよ。最後まで読んでないけどね(^^; ハンバーガー辺りまで?
てなわけで全く戸惑わず見ることができた次第。まぁ、ある程度の押井知識はもちろんあったけれど。
対して。
今回、妙に観客の層が広めで、さすがに親子連れはいなかったけど、前回の公開回終了退出時にサブカル系、オタク系の中に老夫婦とか老紳士とか混じってて、結構驚いた。
果たして、俺の見た回にも老紳士がいたけど、少しずつ菓子を袋から探る音が大きくなってって、案の定途中で退出していった。映画としては昭和40年代が終わった辺り。ちょうど押井の実体験に基づく世界になってきたためか、悪ふざけがエスカレートし出したところなわけで、辛いよなぁ、免疫無しにあれ見るのは(^^;
きっと新聞の講評とかに騙されて来ちゃったんだろうなぁ・・・


やっぱり、この作品の面白いところは実歴史の中に偽史を混ぜ込んで、それ故に実歴史が浮かび上がってくるという構図。そしてそれを研究した結果のドキュメンタリーという風にフィクションにフィクションを重ねていて、更にはそれをセルフパロディ的に見せ物にしているというのが面白い。パロディにすることでフィクション性がまた変わってくるんだよね。何重にも入れ子になってるんだな。そこにまた違う次元で犬から派生する入れ子やらがごちゃごちゃっと存在している、迷路が如き内容。
常にリアリティの地平を揺るがされ続けるっていうのはいかにも押井作品らしいんだけど、それも含めて押井らしさをニヤニヤしながら堪能してしまった。バカバカしい物事を溢れ出る言説と演出で現実に変えられてしまうのは、わかってても痛快w そしてそれが現実の戦後史と絡み合ってえも言われぬ快楽に!
・・・いや、中盤以降の悪ふざけのエスカレートぶり辺りにはちょいと眠気のピークが来たんだけどね(^^;面白いんだけど。ちょうど、そこまで語られてきた戦後的なるもの≒学生運動による物語の流れが一山迎えて一旦途絶えた箇所なのも大きいんだけど、セルフパロディから業界パロディから脇道にそれまくって意味不明度合いが格段に上がる部分なのも大きくて。ゼネプロ版帰ってきたウルトラマンなんて唐突すぎるっての!w
まぁ、面白いには面白いので、結構満足だったよ、うん。