クラッシャージョウ

途中から(10分ほど経過)見始めたんだけど、2時間弱だと思ってたら2時間15分もあってすごい長さだったんだけど、
すんごい面白かった!その前に見てたエウレカが霞んじゃったよw


まず何より安彦作画が非常に快感!大きい動きはダイナミック、細かな表情・所作は繊細で印象にいちいち残る。
安彦漫画で見る絵がそのまま、下手すれば俺の想像力など遥かに上回った気持ちいい動きをしてるんだからたまらん!
ん〜Zガンダムがこのクオリティだったら・・・っていう心残りはやっぱあるよなぁ。
メカもいちいち良く動くし、戦艦のこちらをなめながらの旋回シーンなんて、もう!
ドッグファイトは流石にまだ現在までの見せ方の研究の積み重ねが無いし板野サーカスも完成されてない感じなんだけど、その分作画のクオリティが非常にきっちりとしていて別の魅力があったし。


んで、こんな長い作品が楽しく見れるのは作画に加えてストーリーにもその要因があるわけで。
アクション満載・ドンデン返し満載に謎解きもプラス、お腹いっぱいのストーリーな訳だけど、恥ずかしながら、きっちりとリアルしてるところが驚いた。
今のアニメでやったらミネルバ単機で突撃してって、危機感をあおる程度のかすり傷しか負わせずに敵を全滅させてしまっていると思う。それをこの作品では、いくら主人公たちの腕がよくってミネルバの性能が良くっても、明らかに数で上回る軍隊や海賊には勝てないし、主人公たちもそれが冷静に分かってるのだ。そのうえで勝てない戦に出るか、投降するか、冷静に判断する。ミネルバはオーバーホールが必要なほど大破させられるし。
最後にしたって、ジョウたちは連合宇宙軍の手助けが無ければ敵要塞に突入もできないし、事件の解決も無かったわけで。主人公たちは万能ではないし、どうやってもかなわない力があることが作中でしっかり示されている。「信じれば適う」的な夢見がちな内容でなく、「絶対に適わないものはある。しかしそれが全てじゃない。そうでないところに突破点は必ずある。」というリアルを一段昇ったところにある夢の見方が新鮮でなおかつカッコ良かった。
高千穂遥に触れたことは今までほとんど無かったのだが、彼がガンダムのSF性に異を唱えた立脚点が見えた気がする。ガンダムはリアルといわれながらも、やはりまだまだいかにもアニメチックな絵空事なのだ。まだまだ子供の万能願望を満たすべく描かれたものだった。
自分にとってこれは非常に発見だったが、こんなことが発見になってしまうのはやはり問題あるだろう。自分の毒され具合に辟易する。
色々な受けている作品がやはりこういうリアルに達せてないものばかりであること、そういうことに背を向けることで受けている作品の多いことは見ている人間のおかしさのバロメーターじゃないのか。