今更ですが

去年から思ってた、種は男女逆のキャラクター設定なら面白かったのではないかという話。
今回考えたのは、こうすれば現在のような異常なキャラ人気は無かったろうという仮定。
吉良が女だったならあんな最低の人間、男に受けこそすれ同性からは疎まれるんじゃなかろうか。矢追な要素も無くなるしね。矢追好き女性に比べて百合好き男性の方が圧倒的に少ないだろうし。
残念ながら、女性から吉良がうけている理由が「美少年」「矢追臭い」以外には分からないのだが、男性からうける理由はある程度わかる。
それはまず「主人公であること」「ロボットのパイロットであること」「ロボットのパイロットとして強いこと(強くなること)」だ。作品に(ロボットの)戦闘シーンを求め、なおかつその作品の戦闘描写orロボット描写を好きになれれば過半数の人がこの理由で吉良を好きになれるだろう。吉良に感情移入すれば強くカッコイイロボット戦闘のカタルシスを味わえるのである。
もう一つは「適度な苦悩があること」「苦悩がいつか晴らされること」。誰しも何らかの苦悩は抱えているもので、自分に近しくそれでいて自分の理想像に少しだけ近い(かっこよかったり、もてたり、強かったり)キャラクターが内容は違えど同じく悩むとなれば感情移入は容易い。そして現実の自分の苦悩に晴れる保証は無いのに対して、キャラクターは晴れる。そのカタルシスがまた惹き付けるのだ。(エヴァは分かりやすく晴れないで堂々巡りするから文句が出る。作品として善し悪しは別としてリアル)しかも、その苦悩が「自分探し」だの「なぜ戦争しなければならないのか」だのの、一見高尚な命題だったりすると、その内容に鑑みること無く、「俺は大人だ」って面した大人になれない中高大生は容易く嵌り込んでしまう。
(これは女性からも男性からの場合と違う形でうける要素なのかもしないが、この要素を前に、その苦悩の内容を判別せずに「守ってあげたい」衝動で動く女性は、ヒモに貢いでる女と構造的に変わらない気がする。「苦悩する吉良をわかってあげられる私」像に酔っているというか。ま、男でもそう変わらない心理ではあるのだが。)
ここに挙げたような要素を持つ女性主人公は同性視聴者にうけないのではないかと思うのだ。自分の理解では女性というものは男性に比べより現実的で無駄が無く、無条件に強いことによる格好良さなど求めないし、軽はずみな苦悩などに感情移入し得ないと考えるからだ。買いかぶりだったら悪いし、恥ずかしいのだが・・・
とにかく、吉良が女性であったらもう少しストーリーのチグハグさに視聴者の視線が向いたのではないか、ということ。もしくは「こういう女っているよね」という別の捉え方が出来、むやみに美化した描かれ方でなく、より身体性のある(この言葉って受け売り丸分かりで使いたくない;)描かれ方がされたのではないか、ということ。あの夫婦にゃ無理だろうってのは一応無しで。
さて、現実逃避はこれくらいにしとくか・・・