トランスフォーマー(日本語吹き替え)

評判を聞いてそれなりに期待してたんだけど、やっぱり洋画だし、とか、あのディテールが細かすぎるデザインはどうよ、とか微妙に侮ってたら、完全に期待以上。実に面白かった!


内容が予想以上に日本のアニメオタク、っていうか俺w、のツボにはまるものになっていたのが驚きであり嬉しいところ。一つの発端から始まったいくつものエピソードが最終的に一か所に収斂されていく構成や、いかにも平均的(やや下)でどこにでもいるような少年が実は重大な宿命を背負っていて世界の運命を左右する重大な局面に立たされるとか、その過程でヒロインの愛を勝ち取っていくとか。異種族間の友情あり、異種族故の苦悩あり、序盤と最後に出てくる「見た目以上の何か」という全体を貫くテーマや、全体をコンボイ指令(あえて)の回想の中に置くという構成であったり、ストーリー要素にしてもその意味性にしても非常にしっくり来た。日本アニメ独自の要素ってわけじゃないけど、日本アニメっぽいチョイスと取り合わせなんだよなぁ。何だか日本料理アメリカ風味って感じがしてしまった。お母さんの実も蓋も無い下ネタとか、ファミリーコメディっぷりとか、学園青春コメディっぷりとかのギャグ部分とかいかにもアメリカ風味w あと、戦場とそのシチュエーションのリアルさなんかはやっぱり日本アニメじゃできないところだよねぇ。
ありがちなアメリカ賛美も無いし、日本アニメに定番な権力批判(大統領とか)もあって、父権復活とか強いアメリカ復活とか最近のアメリカにありがちなものが無く、勝利の要因が最終的に少年に収斂するのがアメリカっぽく無くて好感の持てるところ。


ロボの描き方としては、あえて言えばごちゃごちゃし過ぎて好みじゃない。特にバンブルビー。変形前のディテールを残すならもう少しわかりやすくしていいと思うし、カメラがヨリヨリナメナメブレブレなんで人の形として認識できないため何をやってるかよくわからない。オプティマスが許容範囲ぎりぎりかも。
ただ、異形の表現としてはあれでいいと思うし、その異形性がこの作品のテーマと密接に結びついていて取り除かざるべき要素としてあるのは非常にいい。バンブルビーにしても、最後の最後に初めて喋る段になるまではその異形性を強調し続けなくてはならないし、それによりそのシーンでの感動が倍加するわけで。
それに正直、オプティマスことコンボイ指令が隕石状態からトレーラーをスキャンし出す辺りから震えが来だして、サムの目の前で変形をじっくり見せる、玄田声で喋り出した辺りでは鳥肌が立った!もうこれでいいや、とw
あと、メガトロン様が格好良いんだ。唯一、地球上のメカに変形しないことで完全に異形なんだけど、それゆえに独特の生物的なディテールがあって、どこか出渕、森木、篠原的な匂いがするんだなぁ。ちょっと可動フィギュアでもあればちょっと欲しくなった。ちゃんとスタースクリームを叱りつけるしな!w


F-22がちょっとかわいそうに思えたのはまぁいいか。最強戦闘機だからこその役どころだしね。玄田哲章もそうだけど、チョーさんやら高木渉やらの吹き替えが嬉しかったなぁ。
まぁ、ともかくも大満足でありました。続編が動いてるって話だけど、そう言われれば続編作れそうな終わり方だったなw