ALWAYS 三丁目の夕日(ネタばれ含み)

毎月1日は映画の日

ってことで一家で見てきたわい!
公開時間の40分以上前に劇場に着いて、早すぎたか?暇を持て余すか?と思ってたら、その後続々観客が来て大行列。怪我の功名。公開2か月近いのにこの混雑っぷりはすげぇ。次の公開回の行列はもっと長くなってたし、この人気は映画の日効果のみではあるまいて。


ぶっちゃけ、内容はバツラジで大体聞いて、コンビニ入店音の後(=ラスト)まで聞いちゃってるので、わかってることではあることなんだけど、これがぎっちょん(古)問題無し。あの粗筋レベルでの解説では伝えられない内容がこれでもかこれでもかとあって、ガッツリ面白い。
何より構成が凄い上手いと感じた。
もちろん原作はあるものの、ていうか俺は微かにしか読んだことはないのだけど(^^;、その再構成によるエピソード同士の関連付け、感情のボルテージの上げ方などなど。小エピソードごとの伏線の明瞭さ、と同時に全体にもつながる伏線であることが、見易く、かつ面白いものにしている感じ。具体的には六子と淳之介のエピソードを並行的に描きながら、下げていくところは互いに下げあっていき、淳之介のエピソードが感情的に上がるきっかけは六子の方で先に観客に予見させるような、本来当たり前なんだろうけど、最近とんと見かける機会の少ないテクニックなどなど。
内容わかっていても問題無いというのは、先に聞かずとも見てれば小エピソードごとの先々の内容は想像が付くし、伏線の張り方明瞭にして安心して見られるようになっているため。ただし、それだけではない、良い裏切り方が随所になされるために、全くダレないのが実にこの作品の凄いところで、内容を知っていても問題無いと言える最大の理由。
また、ダレないという点では、小エピソードごとのテンポの良さがかなり効いてるのが大きい。加えて、VFXなんだけどあえて地味な(一部派手な)映像美みたいなものも観客を魅せる要因だろう。とにかくカメラが自由なのは印象的だった。(悪い意味で無く)


いやぁ、これは実に面白かった。文句のつけ方があんまりわかんない。
ま、あえて言うならバツラジで安藤さんが言ってた「ノスタルジーだけじゃない」って部分にはほんの少し抵抗があって、やはりこの作品の根幹にはノスタルジーがかなりでっかく据えられている感じがある。それも、その現実を経験していないにもかかわらず感じてしまう類の、ちょっと危険な幻想に繋がりかねないものであったりもしないではない。確かにその度合いはそこまで強くないけど、文句のつけがたい映画だけに無批判に肯定されてしまいがちだろうから。
「ノスタルジーだけじゃない」って部分は、主にラストの鈴木一家が見つめる夕日への「50年後だってこの夕日はきれいだ」って部分が大きいのだろうけど、確かにあそこはジンとくる部分であるのだけど、現代そして未来へ繋がるメッセージがもう少し多くても良かったんじゃないかな?とは思う。あえて贅沢を言うならば。